秦と足軽稼働中

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2月映画鑑賞記

2月は健康診断に行ったりオンラインイベントがあったりしつつ、とにかく時間がなく。いやもうずっと時間はないんですが。毎日くたびれてる感じで、だいたいの映画が朝なんとか起きて家を出て観た直後に体力の限界を迎えてひどい頭痛の中しくしく家に帰る感じでした。我ながらひどいなぁ。
わたしは毎週水曜日を休日としているんですが、3月の頭はそこまで観たい映画もなかったし体力的にも限界を超えていたので外出はやめました。それくらい2月はひどかった笑(笑い事ではない)
でも映画は楽しかったので観た後うきうきはしてましたね。そこは元気でした。ただただHPが残ってなかった。でも困ったことに3月はこれから本番なんですねー…観たいものが続く。それまでに体力を回復させたいものです。
では、本題へ。
2月の鑑賞本数は3本でした。
期待していた映画を2本観て、1本は大当たり。もう1本はそこまででもなかった…という結果となりました。
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■1本目
どん底作家の人生に幸あれ!』

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2019年のイギリス・アメリカ合作映画。
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの代表作で自伝に近いと言われている『デイヴィッド・コパフィールド』を映画化した作品。周囲の変わり者たちについて書き留めては空想して楽しんでいたデイヴィットは母の再婚相手の継父に家から追い出され工場で働くことになり―。というお話。

邦題がなぜか不思議なことになっていたのでポスターは本国バージョンです。いや~とてもおもしろかった!!!好みにバッチリな作品でした!観ている間ずっと楽しくてもっと観ていたかったです。
映画の内容は主人公の子どもの頃(というか生まれる瞬間から始まる笑)から小説家になるまでをざーーっと描いていくものです。その中で奇妙で可愛らしいキャラクターたちがバタバタと駆け抜けていきます。鑑賞前に原作を読むつもりでしたが忙しさと原作のボリュームを前に断念。原作との比較はできませんが、あのボリュームを2時間に収めるための工夫がいろんな所にありました。時間省略の手法がすばらしかったと思います。画的にも止まることなく場面転換を繰り返したりとにかくスピーディでした。
なにかひとつの問題を深く掘り下げる作品ではなくて、いろんなことを経験しながら浮き沈みを繰り返す主人公を見守る感じなのでそれぞれの話題をそこまで深堀りはしません。何かを深く感じたい時は肩透かしをくらうかもしれないのでご注意を。
(でも最後まで見ると納得もいくしそれぞれのエピソードはさりげないですが考えさせられるものもあります)
ディケンズの描くキャラクターというのは非常にこの時代的で現代の感覚で見るとかなり奇妙に見える人間関係も多いかもしれません。ただ、階級やお金の有無で生じる人との軋轢や、体裁を保とうと必死になる滑稽さなどは普遍的なので、哀れだったり愛らしかったりとにかくみんな可愛い。イギリス的な会話もいいし、映像もよかったし、主演のデーヴ・パテルくんの演技も最高。
ベネディクト・ウォン演じるMr.ウィックフィールド(誰も名言はしないけど明らかにアル中気味)がお茶を勧められながらそわそわと酒を探す演技とか笑ってしまった。
これはディスクが出たら買って繰り返し観たいですね。オススメ作品です。原作も読まなきゃ。
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■2本目
『ダニエル』

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2018年のアメリカ映画。
内気な青年が、圧倒的カリスマ性を持つ“空想上の親友”に翻弄される姿を描いたスリラー。主演の2人がそれぞれ2世俳優ということで話題になっていました。
ポスター左のマイルズ・ロビンスはティム・ロビンス(ショーシャンクの主演の俳優さん)とスーザン・サランドンの息子。右のパトリック・シュワルツェネッガーは名前でわかりますね、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子です。(マイルズくんはお母さんに似たねぇ)
映画は内気な青年がだんだん狂気に呑まれるスリラーで何ならホラーよりです。日本のポスターはいろいろおかしい(わざとだろうけど)。元のポスターのイメージが映画にはもちろん合っています。
ホラー気味という話は耳にしていまして「劇場の逃げられない大画面と大音響でホラーを観るのは無理!」な人間なのですが、イマジナリーフレンドや幻覚を描く作品は大好きなので「怖くなったら目をつぶろう」という覚悟で挑みました。結果は、そこまで怖くなかったし目もつぶらなくてすみました。主演の2人もよかったし、ちょっと変な映画で面白かったです。


さて、ここからネタバレが入ります。
圧倒的ネタバレなのでご注意ください。
えー内気な主人公ルークは子どもの頃に近所のカフェで起きた銃撃事件の被害者の死体をもろに見てしまい、その瞬間から空想の友達ダニエルは現れます。これを観ると「精神的負担に耐えるために友達を作り上げた」ように見えます。イマジナリー・フレンドは作り上げた本人の能力の外には出ないので、例えばルークが学校のテスト中に悩んでいるとダニエルが服を脱ぎだしダニエルの体にタトゥーみたいにテストの答えが描いてあってルークはそれを見ながらテストを受けたり(このシーン可愛かった)、友達が持っている本をダニエルが覗き込んで読みそれを聞いたルークが繰り返して言う(友達にはルークがその本の内容を覚えているように見える)というシーンも、<ルークがダニエルに助けてもらう>という構図ですが、とはいえダニエルはルークの空想なので「ああ、ルークは本当はテストもわかるし本の内容も覚えている能力があるのに自覚がないんだな」ということになります。
(と、わたしは思っていた)
が!なんと後半でダニエルはルークの空想ではなかったことが判明します…!なんか、その、悪魔的な、死神的な、ずっと昔から人から人に取り憑いてきた邪悪な何かだったのです…!えーー!?ここから映画の種類がだんだん変わっていきます。
「なんか…変な話になった…!!!!」
詳しくは書きませんが映画の種類が変わります。個人的にはそれも含めて若手俳優2人でヤイノヤイノやるおもしろ映画で楽しかったです。空想だと信じてる間の表現もおもしろかったし。
軽い気持ちで観て「変やったけどおもしろかった~!」と思うのがオススメでしょうか…!(なんかテキトーなシメですがおもしろかったですよホントに!)
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■3本目
『燃ゆる女の肖像』

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 2019年のフランス映画。
望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の恋を描いたラブストーリー。孤島の屋敷で肖像画を描く間の物語。
 
日本での公開は昨年でした。とても評判がよく、2020年ベストに入っているのも見かけましたがわたしは昨年の間には観ることができず。歯ぎしりしていた中まさかの新宿シネマカリテさんがまだ上映を続けてくれていたので観に行けたのでした。ありがたや。
監督のセリーヌ・シアマが元恋人のアデル・エネル(エロイーズ役)を当て書きしたという脚本で、2人がだんだん心を通わせていく様子が描かれます。曲がほとんどない静かな画面の中で海や風の音が強く、そんなにたくさん会話もしないのですが画面の力がすごいのと演じる俳優陣の気迫もあって妙に「力強い映画だったな…」と感じさせる作品でした。意図的にだと思いますがほぼ女性しか出てきません。(物を運ぶ人夫が少し映る以外、孤島の中では女性のみの構成)屋敷にひとりだけいる召使いの女の子と主演2人がメインで、仲良くなっていく様子が微笑ましかったです。その中で、自殺や堕胎の話、望まぬ結婚の呪縛がしずしずと描かれます。
力強くすばらしい映画でしたが、個人的にはあまりハマらなかったようです。
少し疲れていたせいもあるのかな…。時代背景も含めて「こうならざるを得ない」人々を見続けるのが辛かったです。ただ幸せにしてくれというのは物語を描く意味がなくなってしまうので言いませんが、「今しかない」とわかっている彼女たちの空気が自分には重くて「ああ、今観るべきじゃなかったかもな」と思いました。
夜の海辺で歌う女性たちのシーンは鳥肌モノでしたし、ラストも素晴らしい。映画は確かに素晴らしいのですがタイミングを間違えた鑑賞となってしまいました。
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2月は疲れすぎてた。本当に。ディケンズの優しさと哀れさの混じった喜劇が心に染みたのはそのせいもあるのかな。でもどの映画も楽しかったですね。まーでも今月は『デイヴィッド・コパフィールド』の圧勝でした。デーヴ・パテルくんの演技本当に大好き。うっかり見逃した『ホテルムンバイ』を近々観る予定なのでとても楽しみです。
 
さー3月は。とにかく這ってでも観に行かなければならないのはブロードウェイ版『キンキーブーツ』の劇場上映ですね!!!!

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うーーーー!これを観られるなんてーーー!!!(元の映画版『キンキーブーツ』を年に1回は観ている)た、楽しみすぎる…!!!脱稿直後になんとか体調を整えて観に行くぞーー!!!(知った時うれしくて泣いた)
あとは『ミナリ』とノマドランド』かな。『ミナリ』は体力によりけり…かもしれない。辛かったら明るそうな映画に逃げるかもしれない。(その昔『デトロイト』を観に行くも疲れすぎててチケットを買う寸前で『パディントン2(1未修状態)』に変えたことがある。結果は大正解でしたが)
3月も楽しく映画鑑賞できますように!出来れば体力はある状態でが望ましいなぁ。

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   古代中国で起こった<楚漢戦争>の中に入り戦う
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COMITIAで出している同人誌の電子版
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『コイとのろい』
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   真っ暗でしかセックスできない理由とは…?

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― コイとのろい 

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既刊と続編

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『λの箱舟』
『λの箱舟 Crazy for You』
         Crazy For Youはコミックスの
    続きを描いた読み切り。
    その後のルディとバレンタインの
          関係を描きます。

□電子版
― Renta!


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