秦と足軽稼働中

マンガ描いたり映画を観たり

11月映画鑑賞記

やっと元気が出てきたのでswitchでFitボクシングを再開しました。だいぶガタついてたようで翌日に慌ててプロテインを注文するなど。(プロテイン飲むと運動からくる体のだるさが解消されます。おまけにタンパク質もとれるし天才か!今回はミルクティー味にしました。おいしい~)
さてこれまでどれだけ元気がなかったかというと今月まだ映画館に行っていません。やばい。もう3週間くらいになります。怖い!ということで11月も鑑賞本数は少なめ。3本となりました。そのうちアニメ映画が2本。わたしはあまりアニメ映画を積極的には観ない方なので自分でも驚きです。まー偶然各種アニメ映画の公開日が近かったわけですが、あとはウワサの『ロシャオ~』とか『Away』もあって最近本当にアニメ映画が多い。『Away』は前から観たかったのでぜひとも劇場で観たいんですが、行ける劇場が苦手なフラット気味のところなので悩んでいます。うーん。人の頭で観えない時の精神的ダメージは今は辛いかも…ぐぐぐ。

では本題へ。

■1本目
『レディ・マクベス
f:id:hatakazuki5:20201215203015j:plain
2016年のイギリス映画。
少し前の映画ですが特別上映をやっていたので観てきました。
原作は小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」。
19世紀後半のイギリス、裕福な商家に嫁いだ
少女の変貌を描きます。

すごく静かな映画でBGMもほぼないので風の音や窓や床のきしむ音が響いてそこはかとなく不穏な雰囲気が全編にわたって流れていました。映画の内容自体もその通りで、事態はどんどん悪化していき取り返しのつかないところまで転がっていくような話でした。
主人公のキャサリンは17歳で嫁ぎ(もちろん恋愛結婚ではない)、嫁ぎ先で軟禁状態にされ少女にはどうすることも出来ない…かと思いきや。徐々に彼女の狂気が顔を出してくるのですが、その表現の仕方がさらっとしているので「え?これは?あれ…?この子なんか変だ…」とじわじわ迫ってきて怖かったです。
構図はわかりやすいので特に時代背景などの知識はいらないと思います。知っていると途中で彼女が考える(企てる?)夢のようなものがどれだけ無茶かがわかって肝が冷える思いをするというか。それくらい。
薄暗いイギリスの雰囲気にもとても合う狂気のお話でした。
観て明るい気分にはならないので元気な時がオススメです。笑

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■2本目
『ウルフウォーカー』
f:id:hatakazuki5:20201215204643j:plain
2020年のアイルランドルクセンブルク合作映画。
アニメーションスタジオ『カートゥーンサルーン』最新作。
アイルランドのキルケニーに伝えられてきた眠ると魂が抜けだしてオオカミになるというウルフウォーカーを題材に作られた長編アニメーション。
中世のアイルランド、オオカミのハンターとしてイングランドからやってきた父を持つ主人公のロビンはある日メ―ヴという少女と出会う。

カートゥーンサルーン』の作品は気にはなっていたんですが観たことがなく、今回が初鑑賞となりました。前にも書いた気がしますが劇場で予告を観て泣いてしまいまして。それまでは全然注目していなかったのですが急遽観ることにした作品です。結果は、大正解!本当に素晴らしい作品でした!
とにかく主題歌が美しくて、本編でもこの曲が流れるシーンは主人公のロビンが人として女性としての呪縛から離れて自由を味わう場面で号泣ものでした。アニメーションも伸びやかで美しかったです。

独特のアニメーションですが、演出が素晴らしくて引き込まれるし可愛らしいしで見ていて飽きません。特にオオカミ関連のシーンはアクションも多彩で、緊迫した戦闘シーンやオオカミ目線で疾走するシーンなど名シーンがたくさん。
物語は歴史的な事実も踏まえつつ、淘汰され、追いやられる存在や自然などをテーマに重くありつつも疾走感もある流れであっという間に観終わってしまった印象です。主人公が子どもだからこそ観ているこちらが辛くなる理不尽さや大人のふるまいもあるし、その分自由に走るシーンで泣いたりとか。なかなか情緒をぐちゃぐちゃにされますが、後味はいいのでとにかく万人にオススメしたい作品。(決してちょーハッピーエンドというわけではないのですが)
あとわたしは動物の中でオオカミが1番好きなので、オオカミがみんなで集まって丸くなってるシーンとか大好きでした。かわいかった…。あとメ―ヴもちょーかわいい…。
(余談。オオカミが群れで移動する時はボス、病気の個体、子どもなどの配置がキチンと決められているそうです。どこかでその図を見て感動したのを思い出す…)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■3本目
ミッシング・リンク
f:id:hatakazuki5:20201215211752j:plain
2019年のアメリカ映画。
ストップモーションアニメを手掛けるスタジオ
『ライカ』の最新作。
伝説の生物を発見して自分の名を知らしめようとする
主人公のライオネル卿は旅に出る。

イカストップモーションアニメ技術は上りに上がり、過去最高の予算で作った『ミッシング・リンク』は本当にどこまでが人形なのやらちょっとわからないレベルで素晴らしかったです。(なにも知らずに観てフルCGだと思ってしまう人もいるとか)ストップモーションアニメならではの温かみというのか、不思議な可愛らしさにあふれているし、今回は冒険譚であちこち行く上にアクションも多くて画面を観ているだけで幸せになれる作品でした。
ただ…!!
シナリオに難ありというか、キャラクター配置がよくないのかな?いろいろと思うところアリの鑑賞となりました。
(すみません、ここからネタバレ入ります!)
主人公はシャーロック・ホームズぽさが全開なのですが、長い時間ツッコミ役が不在というか、その間ずっとライオネルの絶妙な性格の悪さを見せつけられ続けるのがキツくて、(ホームズは別にそんなに性格が悪いとは思わないですが、個人的に!)相棒となるMr.リンクがその役かと思いきやそうではなく少し後でやっと登場したライオネルの元カノがツッコミ役を担うという。うーん…。
このアデリーナ、ツッコミ役なら登場が遅すぎるしなんか都合のいい時に説教するだけの役で苦い気持ちになりました。(女性が教育する役目まで担わなきゃならないのかよ、いい加減にしろ、という昨今の動きも含めて)ラストの彼女の選択はいわゆる<今までの物語の形>からは外れた現代的なものになっているのですが、それまでの立場が興ざめだったのでこのラストにも「ほーん」くらいしか思えなかった…。
さてそのおかげでMr.リンクとライオネルの関係も中途半端なものになってしまった印象です。なんだかバランスが悪い。Mr.リンク(スーザンと言うべきか)の存在がどういうものであるか、などはわかりますがやっぱり立ち位置が中途半端すぎる。この子はとんでもない孤独の中で生きてきたはずが(今までのライカ作品の主人公のポジションと同じ)あまりそういうところも見えないし、この切実さが伝わらないと旅そのものの切迫さも薄れてしまうので芯が通ってない物語になってしまう。
(主人公ライオネルの旅の動機は初めから「やめとけって」と思うものなので特に推進力にはならないし)
ライオネルも半端でした。うう…残念。貴族なので特に何にも困らず世界を旅していますし(金と世暇がある)、性格のゆがみも特権階級ならではのものとして描いているのか、彼自身のものなのかとにかく背景も見えてこないし厚みがなくて(すべてのキャラクターに背景を背負わせて厚みをだせとは言いませんが主人公だし…。相棒ではなく助手だとか執事だとか言い方もまちまちで気になる。どういうつもりなんだ)つまりは彼が何を考えてるのかよくわからなくてモヤモヤしてしまいました。
(たとえばホームズが突飛な人物に見えるのは彼が人並外れた観察眼を持っていたり、そのせいで人生の暇つぶしに事件が必要だったりアヘンやったりしているせいで、それについてはワトソンがツッコミ役兼仲良しバディとして機能しているのでかわいらしくなってる…と思うんですよ!)

盛り上がってろいろ書いてしまいましたが。
ただ、アニメーションは本当に素晴らしいです!
観に行って本当に良かったと思うし、大赤字をだしてしまったライカにも何とか存続して欲しいと切に願っています。(ライカより今回のスポンサーが死んでるかもしれないけど…)ロンドンの街並みや、ライオネルの部屋の照明の美しさ、オープニングの湖でのアクションのわくわく感素晴らしかったし。ずっとロンドンにいてくれてもよかったのに……(願望)
あ、あとエンドロールかわいかったな。アニメ映画のエンドロールはどれも工夫があって可愛らしいものが多いですね。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ミッシング・リンク』についてこんなに書く気はなかったのに…。思い出しながら頭を整理していたらこんなことに…。11月は以上です。
さー今年最後の月ですが、なにを観ようかな。とにかくワンダーウーマン1984がありますね!フー!!楽しみにしてた…!!(ワンダーウーマンとキャプテンマーベルに関しては映画がどうのの前に思い入れが強いのでいいだの悪いだのそんな話さえしたくない。とにかく感謝をこめて観る)予告も事前情報もすべてカットして正座待機していました。今からわくわくです。
さーこの調子で年末まで元気を取り戻していくぞー。元気に年越しを目指します。