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10月映画鑑賞記

ネームに追い詰められて青ざめていますが最近観た『ウルフウォーカー』という映画がとてもすばらしくて予告を見返しては気力を奮い立たせております。

公開劇場とても少ないんですがオススメです。わたしが説明するより予告を見る方が100倍いいので予告を貼っつけておきます。(劇場でこの予告を観て泣いてしまい絶対観に行こうと思った作品。観に行けて本当によかった…)
では、10月の鑑賞映画についてです。
10月はアタマの方で我慢できずに『マティアス&マキシム』の2回目を観に行った以外では鑑賞本数は4本となりました。後半ボロボロで動けなかったことを思うと前半にがんばったなぁという印象です。
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■1本目
『フェアウェル』
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中国生まれアメリカ育ちの主人公ビリー。仲のいい中国の祖母が末期がんで余命数週間と知らされ帰郷することになり―。
 
というお話。
監督の実体験をもとにした物語ということでぶつかりながらも祖母を想う家族模様や国を出た者とそうでない者の価値観や風習の違いが描かれます。
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さっぱりした表現で映画全体はどこか軽やか。とてもよかったです。祖母に告知をするかしないかでもめますがどちらが悪いということもなくそれぞれの価値観が描かれピリっとするシーンもどこか笑えたり、不思議な空気感でした。(監督の目線が温かいのかな?)
中国、アメリカ、日本とそれぞれの対応の仕方が微妙にズレているのがおもしろい。あとエンドロール中に「えっっっ!??」と声が出そうになりました笑
主演のオークワフィナさんとてもよかった。
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■2本目
『望み』
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雫井脩介の小説を映画化した作品。
監督は堤幸彦
怪我でサッカー部をやめて以来様子が変わってしまった息子。ある日家を出たきり帰ってこなくなり連絡も取れなくなる中、殺人事件に関与していることがわかる―。
 
というお話。
息子は加害者なのか被害者なのか…?という中で揺れる家族を描きます。これはラジオの課題映画で観ました。
原作の小説について話を聞くとこの物語を描くことにとても納得がいったのですが映画はその必要な部分をすべて削ってしまったような印象です。
(以下、いいことは言いません。
こちらの作品がお好きな方は飛ばしてください!)
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観る前から嫌な予感しかしていなかった本作…。
こういった<事件もの>はたくさんあり映画にもなりやすく(だいたいこの日観た邦画の予告だって半分は警察や事件ものだった)被害者あるいは加害者家族を描いたものもたくさんあります。
ではなぜ今またこういった映画を撮るのか。
小説ではここに新しい試みや描かれ方があり「なるほどそれが書きたかったのか」と納得がいきましたが、映画はなぜかその部分を失くしてしまい結果としては<ありふれた事件映画>の仕上がりでそこに加えてどこか古臭く感じる演出やカメラワークが続き、非常に辛い2時間となりました。
(堤監督は独特な演出をすることで有名ですがこういった作品の時にはそういった演出はされないようです。しかし今となっては少し古くも感じるフレア表現やフォグ(白い霧がかって見えるフィルター)のかかったシーンやスローでお腹一杯に…)
あとわたしが非常に苦手とする<邦画号泣シーン>が3回くらいあって…。劇場がすすり泣きに包まれる中ずんずんと孤独感と帰りたい衝動が膨らむのでした。
父親のとある泣きシーンに至っては
「いや、それはあなたの想像で真実かどうかはわからないじゃないですか」
とツッコミを入れたくなったりもして…。
 
こんなことなら若い監督が原作通りに撮ってくれた方がよかったのでは…と脱力した鑑賞となりました。辛かったなぁ……。
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■3本目
『博士と狂人』
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世界最高峰と称される<オックスフォード英語大辞典>の誕生秘話。貧しい家に生まれ博士号を持たない異端の学者が辞典の出版に挑む中で、精神を病んだ元軍医のアメリカ人と知り合い―。
 
という物語。
原作はノンフィクション本の『博士と狂人』。
立場の違う2人が<言語>でつながり友情を育む中で、オックスフォードの権威や精神を病んだために起こした殺人事件が影を落とすようなお話でした。
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個人的にはそこかしこに知ってる英国俳優がひしめいていて「ま~」「あら~」とニッコニコな鑑賞となりました。メル・ギブソン(博士)の夫人役にジェニファー・イーリーさんがいらっしゃりうっとりしたり。
映画は名俳優がぎゅうぎゅうに詰まっていて隙もなくひとつのことに情熱を注ぐ姿は胸アツでしたし文字を知り本を読むとはどういうことかなど考えさせられるシーンもありとても楽しかったです。
私たちが当たり前のように使っているものも、どこかで誰かが死に物狂いで作るなり守るなりした結果なんだなとわかる映画。
原作も気になります。
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■4本目
『プレゼント・ラフター』
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イギリスで上演された舞台。
アフリカでの仕事のため旅立ちの準備をする人気俳優マシューの家に次々と訪問者が訪れ彼の生活は乱されていく―。

厳密には映画ではありませんが、ナショナル・シアター・ライブで上映されていたので映画館で観ることができました。ありがたや…。イギリスの舞台を日本にいながら(字幕もついてて)観られるなんて。宣伝用の映像で見た主演のアンドリュー・スコットの演技があまりに素晴らしくて観たくて観たくてうずうずしていた作品です。観た感想は、最高でした…!
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中年の危機に陥ったスター俳優の愛と孤独の物語です。とてもコミカルで登場するキャラクターもみんな愛らしく、その中でもひときわ光り輝くかわいさを放つアンドリュー・スコット…!!役にピッタリすぎて歯ぎしりするレベル…!人々に振り回され迷惑がりながらも心に孤独を抱えたスターがじたばたするお話です。
先日発表されたローレンス・オリヴィエ賞(英国演劇界では最高峰の賞)も受賞したとのことで記念特別上映もしていたそうですが、それも残念ながら終わってしまって今はどうやって観たらいいのかわからないのですが。とてもオススメです。
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ということで。
10月はこんな感じでした。『望み』で手痛いダメージを受け「しばらく邦画観られないかもしれませぬ…」というところまで追い込まれましたがその後の英国作品ふたつで見事に立ち直り「ま、なんとか観られるかもしれませぬ」まで回復しました。(なんだかんだ毎年ちゃんとその年のベスト10に邦画も入っているんですが)

11月は最初に書いた通り『ウルフウォーカー』が最高だったり(これも実はアイルランドのお話)ペースはゆっくりですがいろいろ観られそうだなと思っております。ま、その前にネームをやるか…!
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ハイ、ここからはいつもの宣伝です。
電子マンガや通販、連載作品についてなどなど。

 

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